■近頃の出来事で感じること

「失礼ながら、王様は裸でございます」


「うむ」


「だから、王様は裸でございますって」


「うむ」


「はー、だから、聞いてくださいよ。」


「お前は、私に服を着ろというのか?」


「はい、私どもが見ていられないのです。」


「では、服を着た私は見ていることが出来るというのか」


「もちろんでございます、」


「衛兵、こやつの首を撥ねろ。」


「ちょっ、王様。王様、待ってください、何故に?」


「お前は私を見ていられないといった、そのような輩を生かしておくわけにはゆくまい。」


「王様、王様、よくお考えください、王様が裸では民にしめしがつきませぬ。私はそれを進言しようと、」


「お前ごときが心配せずとも、民にしめしはきっちりとついておる。まさに、おまえの首を撥ねることでなあ。」

終わり