そんなに、無体では無い様に思うが、大阪市給料問題。



昨日のエントリはさすがにアレなので今日はワリと真面目な話で。


どうにも気になったのだが、これだ。


大阪市:給料袋詰めに400人、53時間 そんなことしとる暇があるんなら


どうやら大阪市は給料を銀行振り込みにしていないらしい。
んな暇があるなら、と毎日新聞様はおっしゃっておられる、ふーん、。


また大阪か、というところで、ふーん。


こんなのもあるんだが。
などと、銀行様もおっしゃっております。


で、民間企業では銀行振り込みが当たり前になった今日であるが。
問題の大阪市はどうなっているのか。
大阪市の条例より

第2条の2 
この条例に基づく給与は、通貨で、直接職員に支払うものとする。ただし、市長が特に必要と認める場合には、職員の申出により、口座振替の方法により支払うことができる。

ふーん、これは基本的に労基法と同じでは?(地方公務員は原則労基法の適応範囲内)
労基法第24条より

第24条  賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
○2  賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

ちなみに、国家公務員給与法でもこうである。

第3条 この法律に基く給与は、第5条第2項に規定する場合を除く外、現金で支払わなければならない。

ふむふむ、やはり労基法に合わせてあるようだ。
ブクマでも「条例変えれ」との声があったが、実際のところどうなのだろう、労基法がこれなのだし。給与は全て銀行振り込みにしなさいとは言いにくいのではないか。(と言うよりこの場合言えないのでは?)


遡って言うなら労基法が変だというべきだ。
まあ、確かにちょっと変には違いない。


例えば、現金通貨払いが原則で、振込みが例外の現在の状況だと。
会社が意固地に絶対現金で払うから振込みは認めないとか言われると、労働者はいかんともしがたい。
これの弊害が、例えば登録制の派遣業で居住地近くに事業所が無く、給料を本社に取りにいくのに交通費がかかる場合とか、
こういうのは非常に腹が立つが、労基法ではどうしようもない。ま、蛇足ね。


しかも、給料振込みにも手数料がかかるのである。
労基法では全額振込みが原則なので、手数料は全額会社負担である。この場合条例には示されていないが恐らく大阪市が負担することになる。振込み料は指定銀行によって変わるのだが。平均420円ぐらいだっけか。ネットバンクなら数ヶ月無料とかそういうのもあるが。大口公務員でなんか特別扱いで安くても100円が限界だろう。
現在現金支給者の500人がネットバンカーで激安の振込み料金だったとして振り込み料約100円で、だいたい月5万円もかかってしまう。
うーむ。


ちなみに大阪市の高卒の初任給が142100円である
現金の換算など新人がやればいいのだ。
月給にまずは12(月数)を掛ける。すると、年間総支給額は1705200円となる、で、年間所定労働時間なのだがどこを探しても見つからない??
で、こちらからやや強引に。
上記から所定労働時間が8時間30分、おおっ!労基法違反。意外と働いてる?
いや、休憩時間を除けば7時間30分だ。
で、年間総労働日数が271(土日、祝日、盆正月に4日休む)だとして2032時間?
いや、結構多い。ような気が。
まあ、これくらいは当然働いてもらうとして。
で、時間給は839円である。
これを53時間ぶっ続けで無駄働きをしたとしよう。
無駄働き44467円!おお!
結果的に無駄働きしたほうが、安く済む。という結果が。


ま、これではあまりにも単純化しすぎている。
まあ、いろいろとね、片手間ブログだからね。
が、振込みにした場合でもやはり金はかかるのである、そこらへん銀行協会会長が推薦するように、税金で振り込み料を払う方が良いのだろうか?それとも、悪いのだろうか?


今時現金で?前時代的だ!というのもわかるが、どうだろうかな、本職の人がちゃんと計算したら結構面白い結果になるのかもしれない。
煽りネタには丁度いいな、私も危うく食いつきかけたのだ。イナゴの素質十分である。


追記:やはり地方公務員法58条によると、賃金払いの原則は労基法24条によるとされている。これでは「給料は振り込め」との条例は制定できないな。条例は国法の下位に位置している。