■もののけ姫 雑感
ゴールデンロードショウ雑感
私は小人なので偉大なる宮崎監督の真意などわからないが。
正直、もののけ姫という映画のなかで語られる物語と現在の自然観にここまで差異があるのかとかなりの驚きを感じる。
我々はいつのまにかルビコンの河を越えたのだろうか?
いや、実際にこの映画が放映されていた当時、もののけ姫を映画館で観たときに感じたかすかな違和感、私の中のそれはかなり拡大していると思う。
今はそれをはっきりと言葉に出来る、
結局人間は自然と対する神になれるような存在ではなく、自然そのものであるということである。
故にその単純な増減という意味では極めて自然体であり、故に純粋に自然を破壊する存在とも言える。
環境問題といういうなれば思想上五分五分の力関係に合った人間意識は、ここ十年余りの間に大きく自然側に傾いてしまったようだ。
やはりこれは人間側の技術面の努力の成果が意識の変化に与えた影響は大きい様に思うが。
それだけにやはりこれから激化するであろう最低限の環境破壊という未曾有の事態に直面する時「もののけ姫」は物語として完全に息の根絶えるだろう。
後はただ、宮崎世界では最も嫌悪されるであろう、自然で当然な生物学的算数の世界が広がってゆくのである。
すでにアフリカではその傾向が顕著に現れている。
ある意味、我々は本当にルビコンの河を越えてしまったのかもしれない。