■もやしがお送りするマーケティング講座[雑談]

随分尊大なたいとるである。
もうなんというか、掲げた看板だけがやたらでかいパチンコ屋というべき下らないエントリなので特に気にするべきではない。


では、テレビのコマーシャルと、ネットのコマーシャルでなにが違うのか?
これは現在進行形の大きな問題ではあるが、私は企業はネットのコマーシャルをテレビと同程度に、或いはその矮小形にしか捉らえていないのでは?という思いがしている。
というのも、例えば車のCMを見てみよう。


ゴールデンロードショウなんかの途中に入るスタイリッシュなCM、ジャンレノなんかつかっちゃって。
これを見て「ああ、いいCMだな、じゃ明日この車買おう」と考える人間がどれくらいいるだろうか?
このTVCMというのは見ている人間の何人かに一人かが結果的に買えばよい、という論理で行なわれていているのである。
すなわち、TVを見ているどこかの誰かが丁度車を買いかえる時期であったり、税金対策どうしようかな?とか考えていたり、たまたま宝くじの当選金のつかみちを考えていたり、そういう人間が何百人に一人いればいいのである。
これは一見いい加減なようだがかなり適当な効果を生む。
これは確率の世界であって、確率という奴はそうそう大きなハズレを生まないものであるからだ。


逆にネットの世界はどうであるか?
これは意志の世界である、車を見ようとHOMEPAGEを訪れるものはたいていもう既に車を買うという意志は決定されている。
その上で吟味する情報を主体的に収集している状態と考えていい。これはTVCMと大きく違って、すでに興味があると言う点ではまず最初のふるいは越えているのである。
というより、HOMEPAGEを訪れる人間は一般的な情報は既に持っていると考えてもいいのではないか?
つまり、ネットにおけるCMは消費者はより密接な情報の提示を求めているのではないかと思う。
ここらへん、大手の家電や車なんかのHOMEPAGEは大きく見誤っていると思われる。
わざわざ見に来た相手に、車のカタログ程度の情報しか渡さないなんて、販売小売店に来た客に「じゃ、カタログでも見ていてください。」というようなものだ。みすみすチャンスを逃しているのではないか?


ここは大きく検討の余地がある、なぜものの役にも立ちそうも無いユーザーレビューなどが他の掲示板に大量にあるのか?メーカーが適切な情報を提供しきれて無いからである。
すくなくとも、開発側から消費者へののアプローチがあっていいはずだ。これは多くのボーダーを越えるネットの性格上、上手くいく可能性があると思う。
ではブログか?というと全くそうでない、つまりWEB1.0での話なのだが。


次に、人は追認バイアスという心理作用を持っている、車について言えば自分の買った新車に関する良い情報を選択的に取得したがる傾向があるというわけである。
この状態においては副次効果的に消費願望が沸きやすい。旅行に行ったら金を使ってしまうのは旅行が楽しいからではない、楽しい旅行にしようと金を使ってしまうのだ。
ということで、ネットにおいて自分が買った後や観た後にその商品について情報を仕入れるという事後情報収集行動は意外と多いのではないか?
第二のビジネスチャンスである。例えば車を買った、ではその車にあう内装のグレードをアップするにはどうしたらよいのか?改造するとしたらはどうすればいいのか?どのパーツを使えばいいのか?これは既にDELLがやっていることだが、多くのビジネス形態を生むことが出来るはずだ。こういった副次的な情報の開示機会を一切流していないの非常にはもったいないのではないだろうか?


まず一冊の本を売り、その著者の別作品を薦めるアマゾンなんかのスタイルは結構幅広く活用できるのではないかと思う。


もう既に散々言われ続けていることだが、ポストコロニアムな中心不在の社会構造の到来は避けられないと思うし、もう既にそうだと言い切ることもできるであろう。
何度も例えるが、ある車についての適切でマニアックな情報というのはTVCMでは使えない、なぜならその情報は限られた人間しか見向きしないからだ。少しでも対象を外さないようにステレオタイプ的な良い車像を演出しなければならない。


しかし、その限られた人間だけが意志を持って情報を収集しにやって来るネットの世界では、そんなステレオタイプな情報など誰も求めていないのである。メーカー側ももう少し主体的・限定的な情報開示を行なってはどうだろうか?