コードギアスが意外と面白い件について。



ええ、楽しいですね、「コードギアス・反逆のルルージュ」正直、当初はまったく、微塵も、毛ほどにも期待していませんでした。
舞台設定がガキっぽい、主人公がナルってる感じがもう、なんというか、もう酷いありさまにな感じだったのですが。
今は毎週の放送が結構楽しみです。


いやあ、冷静に考えると何が面白いんだかさっぱりわからんのですが。


唯、当初感じていた馬鹿っぽい設定とか主人公がナルってるとか、そんなのは当たり前のように予感的中だったのですが、そんな大人の視点をあっさりと踏み越えてオペラやってるあたりで私はやられました。
ええ、馬鹿っぽい設定なんてどうでもいいんです、リアルな組織体系なんてどうでもいいんです。
舞台に日本とか新宿とか名前が付いているから浮いて見えるけど、地球連合とか、帝国軍ぐらいに感じるようになってくればもう気にならなくなります。


主人公のルルージュはなんというか、かわいい奴です、企画会議で「デスノートのライトとガンダムのシャアを足して二で割った奴。」「それだ!」とか徹夜明けのテンションで決まったのが目に浮かぶようです。ルルージュの能力ギアスはどう見ても死なないデスノートです。


が、これが実にいい味を出しています、傍目クールっぽい性格に見えるのですが、実際主人公兼解説役と全編を通してほんとによく喋りまくってます、んで冷静沈着に見えて結構間抜けなのでかわいらしいです。
冷静沈着に見えて激情家、無口に見えてよく喋る、隙がないようで実は間抜けと実に男の子っぽくて良いですね。
きっと好きな子をいじめてしまうタイプです。


今ドラマでやっている花より団子の道明寺君に似た魅力を感じます。


ってなんだか書いててホモっぽいですが、あまりに男の子って感じがついつい暖かまなざしを向けてしまいます。
なんだか背中がカユイ感じです。


大局的には純粋良い人朱雀君が順調に上にあがっていって、ルルージュは汚い仕事ばかりやって朱雀の前を遮る障害を掃除して、泥にまみれて歴史の表舞台に立つことなく死んでいくといったところでしょうか。


ま、大枠はそんな感じの物語でしょうが、このアニメの魅力はどちらかと言うとそんなところではなく、日常パートと戦争パートを同じお話の中で目まぐるしく移動するところにあるのだと思います。


日常パートはとんでもなく破天荒な学園ラブコメです。面白いですが、これだけをやっていてもすぐに飽きてしまうでしょう、が、ここに情緒的な戦争パートをはさむ事によって楽しい学園と悲惨な世界を当社比2倍で浮き彫りにしています。
そういえば、明暗を利用する手法としてはガンパレードマーチという衝撃的な作品がありました。(あれは暗のパートがあまりに残酷すぎてどうしようもなかった。)
コードギアスはここらへんのバランスがとても良いです。


戦争パートはさらに占領悲惨モードと、戦闘戦略モードに分かれるのですが、占領悲惨モードはただただ非現実的なまでに不遇で、悲惨です。笑っちゃうほどに。これはブリタニアを象徴して何かを暗示しようとしているのですがやりすぎてスターウォーズバリの悪の帝国になっているのが面白いです。ついついこっちもその気になってしまいます。
戦闘戦略モードはやっていることは戦闘や戦術的なことをやっているのですが、リアルな戦略や戦闘アクションと言うより情緒的です、或いはキャラ的です。これも面白いです、まるでオペラです。
宝塚を見ているような気がします、派手で誇張的で演出過多でギャグっぽいのですが、ギャグまでは持っていかないようで、いちいち理由があったりしてそこら辺のとってつけたルルージュ君の説明台詞が逆にほほえましい感じがしてしまいます。
映像的にも淡白ですが派手で見ていて面白いです。
あ、あと、このアニメは人をきっちりちゃんと殺します、ここは意見の分かれるところではないでしょうか?
私は時代劇かスペースオペラを見ている気分なので特別に気になりませんが。
演出で殺しているのか、物語的に殺しているのかと言えばギリギリ後者の線を守っているような気がします。


なんだかんだで面白いですね、こういうやりすぎなのも結構面白いんだなと思います。
基本的にはこのアニメは題名どおりルルージュに萌えれるかどうかのアニメですが。


基本的につこっみ所は探したらキリがありません、ですがそれがアラや手抜きでなく狙ってやってるところが見所だと思います。